FF7R考察【尾目我之記録㊥】
※この記事には『FINAL FANTASY VII REMAKE』、『FINAL FANTASY VII』及びその設定資料やコンピレーション作品のネタバレを含みますので興味のある方のみご閲覧下さい。
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黒マント
アバランチのメンバーと共に七番街スラムに帰ってきたクラウドは、さっそく花売りからもらった黄色い花を幼馴染のティファに渡す。
この時、クラウドはティファとの再会が5年ぶりだったことを告げているが、直後にティファは「え…」とつぶやく。(この時の字幕はない)
ここで原作を振り返ってみると、ティファにとってはクラウドとの再会は7年ぶりになるので、クラウドの発言について疑問を感じているようだ。
なぜ発言に違いがあるのかというと、クラウドは7年前に故郷であるニブルヘイムの村から旅立ち、ミッドガルで神羅兵として働くようになり、その2年後にとある調査で一度帰郷した際にティファと会っていたからだ。
しかし、その時のクラウドは神羅兵のマスクをかぶり、正体を隠していたためティファに気づかれることはなかったので、彼女にとっては7年ぶりの再会になるというわけだ。
(クラウドがそのことを忘れて5年ぶりだと発言した理由は、五年前の記憶をジェノバによって改ざんされ、ソルジャーとしてティファと再会していたことになっているから)
そして現在、七番街スラムに住むことになったクラウドはティファからアパートを紹介してもらうことになった。
ティファ曰く、このアパートの大家『マーレ』はアバランチの活動に協力的な人物のようで、クラウドにもタダで部屋を貸してくれることになったらしい。
その夜、クラウドは隣の部屋から漏れ出る不気味な声に目を覚まし、隣の部屋の様子を見てみると…
そこにいたのはなんとセフィロスだった。
部屋の中にいたセフィロスを目の当たりにしたクラウドは、また頭痛に襲われ、黒マントの男が出てくる謎の映像が流れ出す。
恐らくこの場所は、原作で訪れることになる『竜巻の迷宮』だと思われる。
何人もの黒マントを被った男たちがどこかへ彷徨い歩いているこのシーンは、彼らがセフィロス(ジェノバ)のもとに集まろうとしているリユニオンと呼ばれる行動を表しているものである。
ティファに呼び止められ、クラウドは我に返るとそれまでセフィロスに見えていた人物は黒マントの男だったことに気づく。
この人の正体は天望荘の203号室に住んでいる『マルカート』という人物で、病気を患ってからずっとこの状態だという。
そして彼の腕には『49』の刺青が入れられている。
これは原作にも登場していたセフィロスコピーの特徴と同じものであり、神羅カンパニーの科学部門統括である『宝条博士』が施した人体実験によるものだと思われる。
約2000年前に空から来た災厄と呼ばれている『ジェノバ』は驚異的な再生能力を持ち、たとえ体をバラバラにされても細胞同士が集結し、元の姿に再生することができる。
宝条はその再生能力に目を付け、5年前に起こったセフィロスによるニブルヘイム焼き討ち事件の生き残りを集めた。
そして彼らの体にジェノバ細胞を埋め込む『セフィロス・コピー実験』を施し、ジェノバの精神支配に耐えられず自我崩壊した実験体に識別番号の刺青を入れ、ジェノバのリユニオン(再集結)を検証した。
ちなみに『49』という数字が入れられたセフィロス・コピーは原作には登場していない。
『49』といえば『FF7』の7年前から本編開始直前までを描いたコンピレーション作品『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-』(以下CCFF7)に登場する主人公の『ザックス』が拠点としていたソルジャーフロアは神羅ビルの49階にあった。
ソルジャーフロアには『BRIEFING ROOM』、『TRAINING ROOM』、『MATERIA ROOM』が存在し、それぞれの部屋のドア硝子にはLV.49と記されている。
ということはマルカートはソルジャーか、もしくはソルジャーと関係を持つ人物である可能性が出てきた。
しかし、ソルジャーにはジェノバの精神支配に対する耐性があるため、自我崩壊を起こさないはずなのだが、伍番街スラムに現れた『2』の刺青が入れられたセフィロスコピーに関して子供たちが興味深い発言をしていた。
つまり『2』のセフィロスコピーは元ソルジャーなのにも関わらず、自我崩壊を起こし、伍番街を彷徨っていたことになる。
病気といえば、FF7ACでは『星痕症候群』という不治の病が世界中に蔓延していた。
発症すると黒い膿が患部から、末期には穴という穴から吹き出し、苦痛を伴い死に至る病だが、精神が崩壊するような症状は確認されていない。
なので病気は星痕症候群のことではなさそうだが、どうやらリメイクの世界ではソルジャーだった人間もなぜかセフィロスコピーのようになってしまうようだ。
(昔はソルジャーだったという発言をしていることから、ソルジャーの任期中に発症したようであり、施術直後のなり損ないというわけではなさそう)
また症状の観点からは『魔晄中毒』も似たようなものになる。
魔晄中毒は魔晄(ライフストリーム)を浴びてしまった人が、その中に含まれる膨大な情報の渦に精神が耐え切れず、脳の許容量が超えてしまった為に起こる精神崩壊のこと。
実はセフィロスコピー実験も対象者に魔晄を照射しており、これはソルジャーを産み出す為の方法と何ら変わらないやり方である。(違いは対象者が魔晄とジェノバに対して耐性及び適正があるかどうか)
しかし一つ気がかりなのが、天望荘の屋上に置いてあるこの宝箱だ。
中身は『フェニックスの尾』、仲間を復活させられるアイテム。
そしてこの宝箱が置かれているのはちょうど203号室のマルカートの部屋の真上にあたる。
考えすぎかもしれないが、もしかしたらマルカートは原作、あるいは本編開始以前で既に亡くなっていたはずの人物なかもしれない。
発売前のCMでも語られていたが、これは2020年のFF7だ。
もはや何が起こってもおかしくはないのかもしれない。
ジェシー
次の日、セブンスヘブンの前には人だかりができていた。
その騒ぎの渦中にいたのはティファに好意を抱くスラムの青年『ジョニー』だった。
このままではアバランチの秘密がばらされてしまうのでティファと一緒に神羅兵の後を追うことに…
ジョニーがもうほとんど喋ってしまっているが、神羅兵はどうやら火薬を盗んだ犯人を捜しているようだ。
そしてジョニー救出後、天望荘に戻るとクラウドの部屋の前でジェシーが待ち伏せていた。
ジェシーはプレートの七番街に用事があるようで、クラウドに手伝ってもらいたいらしい。
その夜、集合場所である七番街スラムの駅に着くとなぜかビッグスとウェッジもやってきた。
どうやら次の伍番魔晄炉爆破の作戦会議の時から2人はジェシーの様子が変だったことに気づいていたようだ。
そしてその作戦の前日ということもあり、彼女が両親の住んでいるプレートの七番街に行くであろうと予想し、あらかじめバイクを借りてきてくれたのだ。
こうしてクラウド、ジェシー、ビッグス、ウェッジの4人は螺旋トンネルを通ってプレートの七番街へ行くことになった。
その道中、ジェシーがただ両親に会いにいくことだけが今回の目的ではないと明かす。
ジェシーは爆破した壱番魔晄炉の被害の大きさに疑問を抱き、その原因が指定したものより強力な火薬を乗せてしまったからだと結論付けた。
しかし、売人と連絡がつかなくなったため仕方なく神羅の倉庫から直接火薬を盗む計画を立てたらしい。
再び壱番魔晄炉の爆発を振り返ってみると、実際にジェシーの作った爆弾は威力が弱かった。
このことからジェシーは確実に作戦の指定通り爆弾を作っていたことがわかる。
そして連絡がつかなくなった売人は、ジョニーの件から推察すると、既に神羅兵に捕まっている可能性が高い。
そんな中、真夜中に螺旋トンネルを走っていたせいでクラウドたちは神羅の警備兵に追われることになり、終いにはソルジャーが登場する事態になってしまった。
彼はリメイクから初登場となるソルジャークラス3rdの『ローチェ』。
彼については『ファイナルファンタジーVII リメイク アルティマニア』で一介のバイク兵から昇格した異色の経歴を持つソルジャーとして紹介されている。
上位のクラスに匹敵する実力があるものの、バイクでの任務にしか就こうとしないせいで昇進には縁がないようだ。
バイクバトルで勝利した後、別れ際にローチェはクラウドにもう一度勝負しようと一方的に約束してくる。
その後、このセリフがあったせいか、彼とはまた近いうちに本当に闘うことになる。
そしてクラウドたちはなんとか七番街にたどり着き、ジェシーの家へ向かう。
ジェシーの家は七番街の社宅地区にあり、彼女の両親は神羅側の人間だった。
クラウドを家の外に残し、ジェシーはビッグスとウェッジを連れて帰宅する。
ここから彼女の考えた作戦が始まる。
その内容は3人でジェシーの母親の注意を引きつつ、裏口から侵入したクラウドが彼女の父親のIDカードを盗み出すというものだ。
何でも屋とはいえ、なぜクラウドにこんな泥棒のような仕事を依頼してきたのか。
その理由は彼女の父親が魔晄中毒にかかり、寝たきりの状態になっていたからだ。
そのため自分ではやれそうにないから、知り合ったばかりで自身とは遠い立場にあるクラウドに任せたのだと思われる。
そしてジェシーの父親が寝ている部屋でIDカードを探し回っていると、彼女の新事実が判明する。
原作では語られてすらいなかったが、どうやらジェシーはゴールドソーサーという娯楽施設の舞台で女優をやっていたのだ。
彼女は実力は主演を勝ち取るほどのようで、先日クラウドもその演技力(?)に一目置いていた。
そして、クラウドは誰にも気づかれることなくIDカードを盗み出すことに成功し、 七番街と六番街の狭間にある神羅の施設『七六分室』に潜入できるようになった。
ジェシーの作戦によると、倉庫から火薬を盗み出すのは、施設内部に詳しいジェシー本人が行い、その間にクラウド、ビッグス、ウェッジの3人は表で騒ぎ、敵の注意を引きつけることになった。
ジェシーは一足先に七六分室へ向かい、陽動係の3人がゆっくりその後を追っている中、ビッグスがジェシーの過去を話し出した。
ジェシーは努力を重ねてゴールドソーサーで催されるショーの主役を勝ち取ったが、その公演の直前に父親が過労で倒れてしまったという。
彼女の父親は魔晄炉の整備担当をしていて、魔晄だまりのすぐそばで倒れてから半日以上も放置されていたため、魔晄中毒になってしまったようだ。
そんな中、星の精神エネルギー(ライフストリーム)を研究し、星における命の循環を説いた学問『星命学』や本家のアバランチと出会ったことで、彼女自身もアバランチとして活動するに至った。
ジェシーがアバランチに入った目的は、ライフストリームを汲み上げエネルギーとして消費する『魔晄炉』を停止させ、父親の命が消えてしまうことを防ぐためらしい。
この時点で発覚するジェシーの新事実。
これはもしかしたら、今後の続編でジェシーがゴールドソーサーのショーに登場するという伏線になるかもしれない。
しかし、原作だとこれから彼女には壮絶な悲劇が待ち受けているのだが、リメイクではその運命は果たしてどうなるのか……
七六分室
こうしてクラウドたちは七六分室へとやってきたが、施設内の様子がおかしいことに気付く。
なんと入口にいる警備兵が何者かに襲撃されていたのだ。
どうやらクラウドたちがここへ来る前に先客が潜入しているらしい。
しかし既にジェシーが潜入を始めているので、ひとまずは予定通り3人で陽動作戦を決行することになった。
敵陣に突入する前に、作戦の流れを確認しているとクラウドがふと昔の記憶を思い出す。
それはまだ故郷のニブルヘイムにいた頃、クラウドがティファを村の給水塔に呼び出した日のことだ。
クラウドは憧れのセフィロスに近づくためにソルジャーになることを決め、ティファにその気持ちを打ち明けた。
ティファはピンチの時にはヒーローが助けてくれるというシチュエーションに憧れていたので、クラウドはもし自分がソルジャーになれたら、彼女が困っている時に助けに行くと約束した。
約束していたはずなのに…
実はプレートの七番街へ行く前に、セブンスヘブンではアバランチの次の作戦会議が行われていた。
その時ティファは罪のない人々を巻き込む作戦に迷いを感じ、クラウドに助けを求めていた。
しかしクラウドはその時、ティファとの約束を忘れていた。
恐らくこの出来事を境に、ただクールに振舞っていた(時には空回っていた)クラウドの感情に少しずつ変化が現れるようになったと思われる。
ちなみに原作のクラウドは壱番魔晄炉爆破後バレットと一悶着があり、セブンスヘブンを出ていこうとしてティファに呼び止められた際に、約束を思い出している。
そして作戦通りクラウドたちはジェシーが火薬を盗み出すまでの間、七六分室で暴れまわる。
陽動作戦は順調かと思われたが、ここでまた奴が姿を現す。
クラウドと約束していたのはティファだけではなかった。
ソルジャークラス3rd『ローチェ』は宣言通り、クラウドとの再会を果たし、今度はバイクを降りて決闘を申し込む。
ローチェは素早い動きと実際のクラス以上の腕前があり、戦闘開始前にはクラウドのHPとMPを全回復させてくれるという騎士道精神も持ち合わせていた。
ローチェとの2回目のバトルに勝利すると、彼はまた予言じみたことを口にする。
本作ではこれ以降、彼がクラウドの前に現れることはないのだが、今後の続編またはDLCで再び彼と再会する日が来ることはもはやお約束なのかもしれない。
ローチェが去ったあと、神羅の攻撃はさらに強まり、ウェッジが負傷した。
そんな中、謎の武装集団が現れる。
彼らは敵ではないようで、負傷したウェッジを抱えて施設の外へ運び出し、自ら神羅の兵器に立ち向かっていった。
どうやら警備兵を倒した先客とは彼らのことだったらしい。
ビッグスによると、あの武装集団も主流派、本家などと呼ばれるアバランチであり、バレットたちのグループはそこから独立した分派という位置づけになっている。
バレットたち分派も元々は本家に属していたが、武装路線に舵を切ったことで本家との関係性が悪化し、活動方針の違いにより追放されたという。
このアバランチにおける本家と分派の設定はリメイクから追加されたものであり、さらに今作のアバランチ(本家)は神羅の敵国『ウータイ』と手を組んで活動している。
また、ミッドガルのマテリアを持ち去るという設定は、ユフィを主人公として追加された新規エピソード『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』(以下、FF7RIG)への伏線だと思われる。
FF7RIGはミッドガルに潜入したウータイの特殊技能集団《シノビ》が本家のアバランチと共謀し、神羅カンパニーから究極マテリアを盗み出すといった内容だ。
恐らくこの七六分室の一件も、シノビたちと協力して神羅のマテリアを奪取しようとした作戦のひとつだったのかもしれない。
また、原作だと本編開始時点では既にアバランチという組織は消滅しており、バレットたちはその名を借りた新生アバランチを発足していたことになっている。
ちなみに、今回の騒動は現地の神羅兵によって誤報として片づけられたようだ。
その後、ジェシーが過去に父親から聞いた情報を頼りにプレート境界面に用意されていたパラシュートを発見し、クラウドたちは七番街スラムへ帰還した。
作戦会議
クラウドたちがプレートの七番街に行く前、セブンスヘブンではアバランチの作戦会議が行われていた。
この時バレットは、次の作戦ではクラウドを参加させずに行うことを決めており、一時的に契約を解除している。
ジェシーによると、クラウドはもともとアバランチの反神羅活動とは無縁だからという理由で作戦から外されたらしい。
次に行われる伍番街魔晄炉の爆破作戦にクラウドが同行しない展開は、原作にはないものであり、この先に起こる出来事にも影響が及ぶ可能性がある。
原作とは異なる流れになりつつある状況を察知したのか、実はこのシーンの途中でフィーラーらしき黒い影が出現している。
これは恐らくフィーラーがアバランチの動向を探っていたのだと思われる。
そしてプレートの七番街から帰ってきた後、部屋でティファと顔を合わせたクラウドは唐突にニブルヘイムで約束した話を持ち出す。
急に物腰が柔らかくなったクラウドの様子にティファは少し驚き、2人の関係はより親密になった。
ティファに対する思いやりが表れるこのシーンは原作でも序盤に見られることはなく、早い段階でクラウドの心情に変化が起こっているように感じられる。
クラウドが眠りにつくと、再びフィーラーが出現するのだが、この時フィーラーはなんとクラウドに話しかけている。
このシーンのフィーラーがはまるでうなされているクラウドを寝かしつけているように見える。
ちなみに今作でフィーラーが喋っている描写はこの時のみであり、フィーラーは眠っている人間には話しかけられることがわかった。
そして朝になり、目覚めると慌てた様子でティファが部屋に入ってくる。
クラウドが外に出てみると、大量のフィーラーが七番街スラムを飛び回っていた。
セブンスヘブンでバレットとジェシーが襲われていることをティファから聞かされ、クラウドは2人のもとへ駆け付けようとするが、フィーラーに行く手を阻まれる。
クラウドとティファがどうにかセブンスヘブンにたどり着くと、フィーラーの攻撃によって、ジェシーが階段から突き飛ばされ怪我を負ってしまう。
その後バレットはジェシーの怪我を気にかけ、彼女をウェッジと共に作戦から外し、セブンスヘブンで留守番させることにした。
そしてその穴を埋めるための代役として、クラウドが作戦に参加することになり、結果的にフィーラーによって運命の軌道修正が行われたことになる。
この騒動を振り返ってみると、フィーラーはクラウドを含めたアバランチのメンバーにしか目視できていなかったようで、その時の光景を目撃した周りの人間からは、ただバレットたちが勝手に銃を乱射していたように見えていたらしい。
また、フィーラーは既に見えている人間と接触することで視認できるようになる性質があり、これによりクラウドと接触していたアバランチのメンバーだけにフィーラーが見えていたのだと考えられる。
ちなみに事態が収まった後ジェシーに話しかけると、フィーラーの標的がもともとジェシーだったことがわかる。
ここでのフィーラーの目的はクラウドが次の作戦に参加するという運命を変えさせないことであり、天望荘でうなされるクラウドを寝かしつけていたり、セブンスヘブンまで容易にたどり着けないように邪魔をしていたのも、全てはこのためだと思われる。
ダストドーザー
ジェシーとウェッジをセブンスヘブンに残し、クラウドたちは列車に乗りこむ。
ミッドガルの鉄道は神羅によって管理されており、IDスキャンによって乗客の個人情報がチェックされる。
クラウドたちはジェシーが作った偽造IDを所持しているので、素性がばれずに乗車することができる。
しかしクラウドたちが乗車した列車で突如、臨時スキャンが行われ、神羅が手配していたIDに引っ掛かってしまった。
掃討フェイズと呼ばれる神羅の兵器が襲ってくる事態になり、クラウドたちは仕方なく走行中の列車から飛び降りることになった。
無事に線路に降りることができたものの、クラウドたちの動向は螺旋トンネル内に設置してあるカメラを通して神羅に監視されていた。
当初の作戦では列車でプレートの四番街まで行き、駅から市街地の裏道を通って伍番魔晄炉を目指す『プランA』だったが、ここからは線路沿いに進んで魔晄炉を目指す『プランE』に変更された。
目的地までの道のりには忠犬スタンプの絵が壁に描かれており、スタンプの鼻が向いている方向へ進めば、たどり着けるようになっている。
バレット曰く、これらのスタンプの絵は伍番街にいる仲間が描いたものらしい。
クラウドたちが順調に魔晄炉へ進んでいる中、ハイデッカー率いる治安維持部門の連中はアバランチの作戦を妨害するために策を講じていた。
一方クラウドたちは隠し通路を目指してE区画と呼ばれる旧車両基地へとやってきた。
そこでクラウドがコンテナに描かれた忠犬スタンプを見つけると、突如巨大な機械が動き出し、襲い掛かってきた。
その正体は『ダストドーザー』と呼ばれる神羅の旧式兵器でその挙動はまるで暴走しているかのようだった。
実はこの兵器、FF7Rインターグレードのトレーラー映像にも登場しており、神羅の兵器開発部門統括『スカーレット』によって作られ、ウータイとの戦争時に投入されていた。
インターグレードの作中ではユフィの相棒であるソノンの妹『ネルフィ』が暴走したダストドーザーの攻撃によって命を落としていたことが語られている。
ダストドーザーはリメイク本編ではただの序盤のボスとして登場していたが、今思えばインターグレードの物語に関係する伏線だったということになる。
そして、お互いが知らない間にソノンの仇はクラウドたちの手によって討たれていたのだった。
戦意扇動広報作戦
ダストドーザーを倒したクラウドたちはバレットの言っていた隠し通路を抜け、ビッグスと合流し、彼から補給物資を受け取った。
その頃、神羅カンパニーではアバランチを陥れる準備を進めていた。
クラウドたちの動向を監視しながら社長の『プレジデント神羅』は服装を整えている。
どうやら何かを撮影するような様子だが…
一方、クラウドたちは魔晄炉内に潜入し、整備中の大型兵器を発見した。
これは原作の伍番街魔晄炉でも登場していた『エアバスター』のようだが、まだ完成していないように見受けられる。
作戦を遂行するために魔晄だまりを目指すクラウドたちだが、施設内の様子がおかしいことに気づき始める。
壱番魔晄炉の一件があってから、警備がより厳しくなっているかと思われたが、一行は目的の魔晄炉だまりまで難なく到着することができた。
しかし、魔晄に近づいたクラウドは再びジェノバ頭痛に襲われる。
思い出される映像は魔晄炉内でうなだれるティファの姿だった。
泣き叫んだティファは刀を手に持ち、奥の部屋へと進んでいく。
この映像は5年前、セフィロスによる村の焼き討ち事件があった日のことで、ニブルヘイムの魔晄炉でティファがセフィロスに屠られた父親を発見したシーンであり、彼女はセフィロスの使っていた刀『正宗』を手に取り、仇を討とうとしていた。
尚、原作でもクラウドは伍番魔晄炉内で同様のシーンを思い出している。
我に返ったクラウドはようやく魔晄炉に爆弾を設置する。
今回の爆弾は改良が加えられ、脱出後に爆発させることが可能になった。
爆弾を設置後、クラウドたちは梯子を上って脱出しようとするが、その目前で梯子が引き上げられてしまう。
一同がまるで自分たちの行動が監視されていたかのような事態に驚いていると、小型の投影機が飛来してくる。
映し出された人物は神羅カンパニー治安維持部門統括『ハイデッカー』と名乗り、戦意扇動広報作戦という聞きなれない作戦を指揮していることを明かす。
続いて魔晄炉に潜入しているアバランチの映像が流され、その様子がニュースを通してミッドガル中に報道されていた。
どうやら神羅カンパニーは魔晄炉を爆破しようとしているアバランチの存在を世間に知らしめることで、彼らを市民にとっての悪役に仕立てあげようとしているようだ。
それから神羅はアバランチに制裁を加えるという名目で、エアバスターによる公開処刑を企てていた。
神羅の思い通りにさせないために、クラウドたちはエアバスターの整備を妨害し、弱体化を図りつつ出口を目指した。
そして出口で待ち受けていたのは、投影されたプレジデント神羅だった。
プレジデント神羅はアバランチがウータイと共謀していることを知っており、魔晄炉を破壊しようとしている彼らをエアバスターで粛正する映像をミッドガル中に放送することで市民の戦意を高め、神羅にとっての敵を潰そうと考えているようだ。
しかし、ウータイと共謀しているのはアバランチ本家であり、そのことを知らなかったバレットは理解が追いついていなかった。
さらに神羅はクラウドたちが仕掛けた爆弾の制御機能を奪い、爆発させるタイミングは強制的に神羅が決めることになった。
その直後、ヘリで運ばれていたエアバスターがクラウドたちのもとへ落下し、神羅による戦意扇動広報作戦が執行される。
リメイクのエアバスターはなんと空中戦にも対応しており、クラウドとティファは攻撃が届かず苦戦を強いられることになるのだが、そもそも空が飛べるのならヘリで運ぶ必要はなかったように思われる。
そしてどうにかエアバスターを撃破するが、その爆風に巻き込まれたクラウドはプレートの下へと落下してしまう。
再会
地上から約300メートルの高さにあるプレートから落下したにも関わらず、クラウドは無事だった。(原作の設定だと約50m)
クラウドを起こしてくれたのは、プレートの八番街で花売りをしていた『エアリス』だった。
エアリスは毎日、伍番街スラムの教会で花畑の世話をしているらしい。
エアリスはクラウドが落としたマテリアを彼に返すと、自分のリボンに忍ばせているマテリアについて話し出す。
エアリスは、自分が所持しているマテリアはなんの役にも立たないと話しており、この時点ではまだホーリーの存在を知らないように思える。
原作では後にエアリスが持っているマテリアは彼女の実母である『イファルナ』の形見であり、究極の白魔法『ホーリー』を発動できる白マテリアだと判明する。
エアリスからマテリアの話を聞いたクラウドはふいに頭痛に襲われる。
この時、何かに祈りをささげるエアリスらしき人物の姿と、水底に落ちるマテリアの映像が流れる。
これは恐らく原作での忘らるる都の水の祭壇でエアリスがホーリーを発動している時と、その後の湖に沈んでいく白マテリアの描写だと思われる。
そしてついに教会の外で待ってくれていたレノが痺れを切らし、2人の前に現れる。
レノがクラウドを見て何者なのか問うと、エアリスはとっさに彼がソルジャーであり、自分のボディーガードをしていると伝える。
瞳が緑色で大剣を背負っているという特徴からクラウドがソルジャーであることは、想像がつくかもしれないが、さらにエアリスは彼がなんでも屋をしていることをさも当然のように話しだす。
このシーンでわかることは、クラウドが伝えていないのにも関わらず、エアリスが彼の素性を知っているということだ。
ちなみにエアリスから知らないはずの自分の情報を言われる度に、クラウドは字幕としては表示されないが、「え?」と反応している。
流石に違和感を察知したのか、エアリスは自分はカンが当たると付け足し、クラウドに正式にボディーガードを依頼する。
この時の報酬「デート1回」はCCFF7でザックスがエアリスに向けて言ったセリフだ。
そもそもザックスもクラウドと同様にプレートの上から伍番街スラムの教会に落下し、エアリスに起こされている。(ザックスは呼びかけて目を覚まさせてくれたお礼としてエアリスにデート1回を提案している。)
そしてレノにソルジャーの階級を問われたクラウドはクラス1stと答えるが、それを聞いたレノは笑い出してしまう。
FF7の世界ではコンピレーション作品を含めて、クラス1stのソルジャーは3人しか登場しておらず、仮にそれ以外にいたとしても要求される実力の高さから考慮して数えられる程度しか存在していなかったと思われる。
CCFF7よりソルジャークラス1st(セフィロス、ジェネシス、アンジール)の実力 ↓
レノはソルジャー候補のスカウトを担当している神羅カンパニーの総務部調査課(通称タークス)に所属しており、3rdや2ndならともかく、見たことも聞いたこともないクラウドが1stだと名乗ったことに笑ってしまったのだろう。
笑われたことに腹が立ったのか、クラウドから攻撃を仕掛けるかたちでレノとの戦闘が始まった。
原作ではここでレノとの戦闘はなく、エアリスの提案によって2人は教会の奥へ向かい、神羅の追手から逃げ切っている。
レノの常人離れした素早さに翻弄されながらもどうにか勝利したクラウドは、彼にとどめを刺そうとするが、それを止めに入るかのようフィーラーが出現する。
そしてフィーラーによってクラウドとエアリスは教会の奥へと無理やり運び出される。
この時、後戻りしようとしたり、別の部屋へ入ろうとするとフィーラーによって邪魔されるのだが、隣にいたエアリスはまるでフィーラーの意図を感じ取っているような発言をする。
さらに興味深いのが、エアリスが2階の手すりに寄りかかるシーンで、老朽化していた手すりが崩れてエアリスが落ちそうになるのだが…
フィーラーがエアリスを受け止めて落下を防いでくれるのだ。
エアリスもこの状況に驚いていることから、これは彼女にとっても予想外の出来事であり、フィーラーが必ずしもクラウドたちの敵になるわけではないということが判明された。
その後クラウドが木材の上を渡り、エアリスもそれに続いて渡ろうとした時、フィーラーによって塞がれていた扉が開き、中へ入ってきた神羅兵が銃を発砲する。
神羅兵が撃った弾はエアリスが渡りかけていた木材を貫き、彼女は1階へと落下してしまう。
落下したエアリスの周りにはフィーラーが表れ、彼女に近づこうとした神羅兵を弾き返した。
この時、レノや神羅兵にはフィーラーの姿が見えておらず、エアリスに近づくことができない謎の現象を何らかの魔法によるものだと思い込んでいる。
下手に動いたら銃で撃たれる可能性もあり、このままではエアリスが逃げられない。
打開策を閃いたクラウドは天井の照明を切り落として神羅兵の注意をそらし、その隙にエアリスを逃がすことに成功する。
2人が屋根裏へ逃げて行くと、レノは追跡を止め、部下を連れて撤退した。
神羅の連中が去っていくのを見送った後、クラウドが先ほどのフィーラーの目的についてエアリスに尋ねる。
エアリスは何かを言いかけ、「やっぱりわからない」と答えた。
明らかにエアリスはフィーラーに関する何らかの情報を知っていると思われるが、あえて言わなかった、もしくはこの時点では言えなかったのかもしれない。
教会から出た2人はひとまず伍番街スラムの駅を目指すことにした。
屋根の上をつたって進んでいると、クラウドがなぜタークスに追われていたのかとエアリスに尋ねるが、 原作通りはぐらかされる。
駅へ向かう道中、エアリスは過去に一度ミッドガルの外へ出ようとしていたことを打ち明ける。
原作にはない会話シーンだが、これは『ビフォア クライシス -ファイナルファンタジーVII』(以下BCFF7)での出来事を語っているものと思われる。
BCFF7の第11章『自由への疾走』では、エアリスはミッドガルの外へ出ようするのだが、神羅から約束の地を守るために暗躍していたアバランチに見つかり、連れ去られてしまう。
その後タークスによって救出されたエアリスは考え直し、教会や庭に咲いている花を手入れするためと母親を心配させたくないという理由でミッドガルから出ないことを決めた。
※参考動画 ↓
https://www.nicovideo.jp/watch/sm5406493
道中では他にも、屋根から降りようとしたエアリスが、飛んできた鳩に邪魔されてそのまま落下してまうところをクラウドが助けるといったイベントが発生する。
こうして2人の親密度は少しずつ上がっていく。
伍番街スラムの駅に着いた2人はエアリスの家へ行くために街へ入ろうとするが、ちょうどヘリから降りてきたタークスを目撃する。
2人は神羅に見つからないように、モンスターが出没する裏道を通ることにした。
裏道の途中には、ロケットのような部品が無造作に放置されている工事現場の跡が見つかるのだが、これはもしかしたら現在は凍結されている宇宙開発部門がかつてロケットを製造していた場所なのかもしれない。
遠回りしてやっと伍番街にたどり着いた2人は街のモニター前に人だかりができていることに気付き、覗いてみることにした。
モニターに映されていたのは神羅が制作したニュース番組のようで、昨日爆破された伍番魔晄炉の様子を報道していた。
このニュース番組は、いくら星のためとはいえ、市民の生活を犠牲にするアバランチの活動は悪だという印象をミッドガルの住民に植え付けることで、自らの行いを正当化しようとしているように思える。
それと、伍番魔晄炉の爆発による被害の状況があまり伝えられていない(既に鎮静化している)ことから、今回の被害規模は壱番魔晄炉の時と比べて小さくなるよう意図的に抑えられていた可能性も考えられる。
続いてクラウドはエアリスに連れられて『リーフハウス』という孤児院にやってきた。
この孤児院にはまるでビッグス、ウェッジ、ジェシーのような風貌の3人組の子供たちがいる。もしかしたらあのアバランチの3人もリーフハウスで育ったのかもしれない。
さらに気になったのが、リーフハウスの壁に掛けられているカレンダーだ。
右上に書かれている『[u]-εγλ 0007』とはこの世界の年号のことであり、一週間が七日間あるのは現実の表記と変わらないのだが、よく見てみるとこのカレンダーには『月』が存在しない。
『FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY ULTIMANIA 増補改訂版』によると壱番魔晄炉が爆破された日付は12/9と記載されており、現時点ではそれから数日しか経っていないため、設定が正しければまだ12月のはずだ。
しかし、ゲーム内では現在の日付について語っている人物が存在せず、システム的にも画面上に日付が表示されることはない。
それなのにあえて月だけがないカレンダーが存在するということは、リメイクの世界が原作とは異なる時間軸に位置している可能性がある。
壱番魔晄炉爆破作戦では時計の時間が原作と違っていたが、あの時点から既に日付も違っていたことになるかもしれない。
その後、クラウドはエアリスの家を訪れる。ミッドガルでは珍しく一面に花が咲いている立派な庭だ。
そもそも魔晄炉が建てられている場所は土地が枯れ、まともに草木が生えてこない荒地になるはずだが、なぜかここだけ緑豊かな土地になっている。
前回の記事にも記載したが、エアリスは古代種と呼ばれる種族の末裔であり、古代種は星と語り、星を育てることができる星の開拓者と言い伝えられている。
もしかしたら、エアリスが手入れをしている庭や教会にたくさん花が咲いているのは、彼女が持つ古代種の能力によるものかもしれない。
クラウドはエアリスの家にお邪魔することになり、彼女の母親『エルミナ』を紹介される。
エアリスはエルミナと共に花屋を営んでいるようだ。
その後、七番街までクラウドを送っていくというエアリスの提案に対してクラウドは、またタークスに追われるかもしれないからと断るが、エアリスは聞き入れようとしない。
それどころかエアリスはこう話し出す。
「迷っても格好つけちゃって助けてって言えない」
八番街でのイベントシーンを含めても、出会ってまだ数時間程度しか経っていない相手のことをエアリスはなぜこんなにも心配できるのだろうか。
リメイクのエアリスはグイグイ来る性格になったように感じられるが、上記の言葉はまるでクラウドの内面を理解していたかのような発言にも思える。
もし後者の理由でエアリスがこのように発言していたのだとすれば、この時の彼女はクラウドたちと共に旅をしていた原作の記憶を持っていたから彼のことをここまで深く理解でき、心配することができたのだと考えられる。
ひとまずクラウドを七番街まで送っていくのは翌朝になり、2人は伍番街にいるムギという少年から奇妙な話を耳にする。
黒いマントを着てフラフラ歩いている病気の人。
どこかで見た覚えがあるような…
どうやらその黒マントの男に驚いた子供たちがモンスターの出る秘密基地の奥へと入り込んでしまったらしい。
そしてクラウドとエアリスはモンスターを倒しながら、2人の子供を救出した。
子供たちを秘密基地へ送り届けている最中、前を歩く少女の後ろ姿を見ていたクラウドはいきなり頭痛に襲われる。
クラウドはその少女と幼い頃のティファの後ろ姿を重ねていた。
それから子供たちの秘密基地に戻ってきたクラウドとエアリスはムギが話していた黒マントの男と遭遇する。
黒マントの男はフラフラと歩いていたが、やがて転倒したので2人は近づいて様子を見ることにした。
黒マントの男はマルカートさんの時と同じように腕に数字の『2』の刺青が彫られていた。
刺青の数字を確認していると、黒マントの男はいきなりクラウドの腕を掴み、またもやクラウドに頭痛がやってくる。
すると、それまで黒マントの男だった人物はセフィロスへと姿を変え、「リユニオン」とつぶやく。
いきなり現れたセフィロスにクラウドはたじろぎ、剣を抜こうとすると、セフィロスは「恐れることはない」とだけ言い、再び黒マントの男に戻った。
エアリスの呼びかけによって平静さを取り戻したクラウドは、彼女にセフィロスについて尋ねた。
セフィロスは世間的には5年前に不慮の事故で死亡したことになっている。
ニュースに関しては恐らく神羅による捏造だと思われるが、実際にはクラウドの目の前に何度もセフィロスは出現している。
クラウドは自身のこれまでの体験から、セフィロスがまだどこかで生きているかもしれないとエアリスに打ち明けるが、この時のエアリスは意味深な受け応えをする。
「そう……なんだ」
わざとエアリスの目を映さないこの描写は、まるでエアリスが何かを隠しているように見受けられる。
つまり、このシーンではエアリスはセフィロスが生きていることを既に知っているが、何らかの理由(真相を知ったことでクラウドが精神崩壊してしまう、未来に影響を与えるなど)で言えなかったのだと思われる。
その後、エアリスの家に戻る途中で2人はまたタークスと出くわした。
サングラスを掛けた肉体派のタークス『ルード』は教会にいたレノの相棒であり、彼の仇を取るために決闘を申し込んできた。
武器を使わず、体術のみで戦うルードの豪快さに圧倒されながら戦いを続けていると、いきなりルードの携帯から着信音が鳴り出す。
どうやら七番街に関する別件の仕事が入ったようで、ルードはそのままヘリで飛んで行ってしまった。
ちなみに原作でルードと初めて戦闘するのはミッドガルではなく、ゴンガガ村へと続くジャングルの道でレノと一緒に戦うことになる。
ルードが去った後、エアリスの家へ戻ると心配していたエルミナが帰りが遅かったことに怒っていた。
エアリスが夕食の準備をしている間、エルミナはクラウドがソルジャーだと知ったうえで、もうこれ以上エアリスと関わらないでくれと訴える。
そしてクラウドはエルミナに言われた通り、今晩1人で七番街スラムへ帰ることを決めた。
なぜエルミナがここまでソルジャーを嫌っているのか、それはエアリスの初恋の人であるザックスが関係していると思われる。
ザックスもクラウド(自称)と同じソルジャーであり、5年前に任務でニブルヘイムに訪れ、最終的には帰らぬ人となってしまいエアリスを悲しませることになった。
だからエルミナはエアリスのことを心配してもうソルジャーとは近づけさせたくないのだと思ったが、ひょっとしたらそれだけが理由ではないのかもしれない。
ここで秘密基地にいたセフィロスコピーのことを振り返ってみると、彼は元々ソルジャーだったということが子供たちから知ることができる。
それと伍番魔晄炉でプレジデント神羅が語っていたソルジャーが劣化し、自己崩壊するという話。
これはCCFF7でも語られていたG式ソルジャーの劣化現象のことを指していると思われる。
そもそもソルジャーにはS式とG式というものが存在する。
どちらもジェノバ細胞を体内に埋め込んでいることには変わりないが、性質の違いによりG式ソルジャーは身体の治癒能力や代謝機能が低下し、外見的にも劣化してしまう現象が起こる。
恐らくだが、FF7R内における世間一般的にはソルジャーは力の代償としてこの劣化現象が必ず起こってしまうものだと認知されている可能性が高い。(黒マントの症状も劣化によるものだと思われている可能性がある)
従ってエルミナはザックスがソルジャーの劣化現象によってエアリスと死別することになってしまったのだと解釈し、クラウドも同じ結末をたどるものだと思いこんでいるのかもしれない。
ちなみにクラウドやセフィロスにはS式のジェノバ細胞が移植されているので劣化現象が起こることはない。
仕方なく1人で七番街へ帰宅していると、家にいたはずのエアリスが出現する。
明らかにクラウドがこの道を通ることを予測していたような発言をして、結局エアリスが七番街スラムまで道案内をしてくれることになった。
その後、クラウドは先導するエアリスの後ろ姿を見ていると突然、頭痛の時と似たような発作が起こる。
この時の演出に注目してみると、まずアップで映された手、次に口を開けた顔。
そしてなぜか涙を流し、クラウドの発作はおさまる。
今回は今までの頭痛とは明らかに異なる演出だが、これは原作のあるワンシーンを再現しているのだと思われる。
まずエアリスが登場するシーンは原作(Disc1)の古代種の神殿でのイベント後、気を失ったクラウドの夢の中に現れ、使命を果たすために奥へと進んでしまうエアリスの描写とリンクしている。
それからクラウドの発作が起こった時に映された体の部位の順番から推察すると、手→口→目となっており、原作の忘らるる都でクラウドが悲しみのあまり叫ぶセリフと一致している。
「指先がチリチリする。口の中はカラカラだ。目の奥が熱いんだ!」
伍番街スラムの教会で起こった頭痛も踏まえると、やはりクラウドは原作で起こるエアリスの悲劇をこの時点で確実に知っていることになる。
エアリスに連れられ、クラウドは陥没道路を通って七番街へ向かうことになった。
六番街スラムにある陥没道路は、ミッドガル建設中に起こった六番プレート崩落事故の残骸で、現在はモンスターや盗賊の巣窟となっている。
また、オープニングムービーのミッドガル全景を確認してみると六番街のプレートのみライトが付いておらず、原作の神羅ビル65階に置かれている模型によると、未だに建設中だということがわかる。
陥没道路ではリメイクから初登場した盗賊団に因縁をつけられたりしたが、クラウドはエアリスと共にこれを切り抜け、2人はハイタッチをするほど仲良くなった。
陥没道路から出てきた2人はエアリスの半ば強引な提案で、六番街スラムのみどり公園で一休みすることになった。
エアリスは初めて好きになった人のことを話し出し、その人物はかつてクラス1stのソルジャーだったと語る。
そして同じクラスのソルジャーだったクラウドは、たぶん知っているだろうと、その人物の名前をエアリスに聞いてみた。
エアリスがそのソルジャーの名前を口にしたとたん、クラウドにまた頭痛が起こり、肝心の名前が聞こえなかったが、エアリスに瞳を見つめられて我に返る。
ソルジャーとなった者はその過程で魔晄を浴びせられ、瞳が青みがかった色に変化する。
クラウドもソルジャーの特徴である青い瞳をしていたため、エアリスはつい見惚れていたようだが、クラウドのセリフを聞いた後、彼女は急に態度を変える。
前 見なくちゃね
エアリスのこのセリフは、彼女の初恋の人物であるザックスが関係していると思われる。
そもそも今回の発言も含めて、リメイクでの2人の会話にはCCFF7のザックスとエアリスに共通する部分があり、エアリスはクラウドにザックスの面影を重ねていたと考えられる。
話し終えると、エアリスは公園の遊具の下に七番街スラムまで繋がっている隠し通路があることを教えてくれる。
エアリスの道案内がここまでだとわかったクラウドは、何だか寂しそうな表情を浮かべる。
それに気づいたのか、エアリスもまるで別れを惜しむような面持ちになる。
そしてクラウドはせっかくここまで来たというのに、エアリスのことを心配するあまり彼女を家まで送ろうと言い出す。
このシーンでクラウドが見せた表情は今までのクールに努めていた時のものとは違い、本気でエアリスとの別れを悲しんでいるように思える。
リメイクではキャラクター達の顔の表情をリアルに表現できるようになったことで、原作ではわからなかった個々の心情が視覚的に見られるようになった。
家まで送るというセリフは原作では選択肢として選ぶことができるのだが、1日行動を共にしたことで2人の親密度は高まり、そしてリメイクのこのシーンではまるでクラウドがエアリスに好意を持っているようにも感じ取れる。
しかし、原作だとこの後ティファを見つけたクラウドはエアリスに「あんたは帰れ」と言い放っており、このことからリメイクでのクラウドのエアリスに対する感情は原作から変化しているものと考えられる。
このクラウドの感情の変化は、今後の物語の展開にも影響を与える大きな要因となるかもしれない。
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