第二弾となる今回は、先月発売されたばかりの最新作「ポケモン剣盾」で気になったことや様々な謎について触れていく。
キャッチコピー
2019年11月15日に全世界同時発売された「ポケットモンスターソード・シールド」には不可解なキャッチコピーが付けられている。
「きたぞ、ポケモンどまんなか!」
岡田将生&ハライチ澤部佑が小学生に 『ポケモン』を熱くプレゼン 仲良し2人がCM初共演「今年で一番楽しい撮影」 『ポケットモンスター ソード・シールド』新TV-CM
これは個人的な解釈だが、この言葉にはポケモンをプレイしてきた人達の「世代」を指しているのではないかと、ふと思った。俳優・岡田将生と芸人・ハライチ澤部が小学生役を演じるポケモン剣盾のCMでは、二人がポケモンのゲームを懐かしむシーンがあり、幼い頃にポケモンで遊んでいた今の世代に向けて新しく進化したポケモンをもう一度楽しんでほしいという意味合いが込められているのだと、当初自分は勝手に思い込んでいた。しかし、後になって考えてみるとそれではターゲットとしている年齢層が限定的すぎるし、万人受けするキャッチコピーではないことに気が付いた。
(そもそもきたぞポケモンどまんなかと言われて子供がピンとくるはずがない)
では何故、このようなキャッチコピーを付けたのだろうか。これには何か別の意味が存在するように思える。
この言葉の意味を紐解くにあたって、まずはポケモンとは何かを振り返ってみるとしよう。
色の関係性
「ポケットモンスター」縮めて「ポケモン」。それは沢山の謎を秘めた不思議な生き物のこと。人間と仲良く暮らしているポケモンもいれば、草むらや空、水の中に生息しているポケモンもいる。「モンスターホール」という道具を使って捕まえることができる。その生態については、まだわかっていないことが多い。
つまりポケモンとは、あの世界に存在する不思議な生き物の総称ということになる。
では「ポケモン」を代表するものといえば何か、考えてみた。
・御三家
ポケモンシリーズで主人公が最初に仲間にするポケモンのことで、ほのお、くさ、みずタイプの中から好きなポケモンを選択できる。この三タイプは今まで発売されたタイトル(ピカチュウ版、スピンオフ作品を除く)を通して共通しており、その配色は決まって赤、緑、青の三色で表現されている。言うまでもなく、この三色は光の三原色に該当するのだが、これは偶然ではないと思われる。
・伝説のポケモン(パッケージに登場)
ポケモン剣盾では、パッケージに登場する2匹の伝説のポケモンがザシアン、ザマゼンタという名前から、こちらは色の三原色であるシアン、マゼンタから由来しているという話は発売前から噂されていたことだが(The cyan、The magenta)、光の三原色、または色の三原色が使われている伝説のポケモンは何も今作に限った話ではない。(準伝説、幻含む)
光の三原色ポケモン | |
---|---|
赤(Red) | ホウオウ、グラードン、ランドロス、イベルタル |
緑(Green) | セレビィ、レックウザ、トルネロス、ジガルデ |
青(Blue) | ルギア、カイオーガ、ボルトロス、ゼルネアス |
色の三原色ポケモン | |
---|---|
シアン(Cyan) | ファイヤー、ラティオス、アグノム、ディアルガ、ザシアン |
マゼンタ(Magenta) | フリーザー、ラティアス、エムリット、パルキア、ザマゼンタ |
イエロー(Yellow) | サンダー、ジラーチ、ユクシー、ギラティナ |
御三家、伝説、幻のポケモンなど、シリーズを代表するポケモンにはまるで意図的とも思える程に、色または光の三原色が使用されているのだ。
ここで一つの疑問が生じてくる。ポケモン剣盾のイエローに該当するポケモン(The yellow)は何なのかということだ。この議題はSNSでも取り上げられ、様々な憶測が飛び交っている。
その中でも有力だと思われる説は、登場人物に付けられている「花の名前」だ。こちらも恒例だが、ポケモンシリーズには花(植物)が名前の由来になっているキャラクターが多く存在する。
そして黄色の花を咲かせる植物の名前が付いたキャラクターである
- キバナ(8つ目のジムリーダー)
- ダンデ(チャンピオン)
- ソニア(ポケモン博士の助手)
この三人が、もう一つの伝説のポケモン「ザ・イエロー」に関係する人物、もしくはそのトレーナーではないのかという説だ。
ガラル地方(ポケモン剣盾)の伝説では、大昔ブラックナイトと呼ばれる厄災がガラル地方を滅ぼしかけ、それを救ったのが二人の英雄とされているが、ストーリーの中でもまだ不明な部分が多く残されている。
ガラルの伝承
ここからは王族について触れていくことにする。
今作では、殿堂入り(本編クリア)後に、伝説のポケモンが入手できるサイドストーリー的な追加要素が存在する。その大まかな内容は、自称王族を名乗る剣と盾の髪型をした二人組の男性が主人公達の前に現れ、ガラル地方中のジム(スタジアム)に巨大化(ダイマックス)したポケモンを放ち騒動を起こし、最終的に伝説のポケモンを暴走させてしまうという話だ。
ダンデ曰くこの二人組が元王族であることは間違いないらしく(騒動鎮静後の証言から)、ガラル地方の伝説に登場する二人の英雄の末裔ということになる。
二人の英雄については、ガラルに王国が作られた時の物語を伝えるタペストリーとして、本編でも触れられており、
ナックルシティの宝物庫に四枚、残りの一枚がキルクスタウンの「ステーキハウスおいしんボブ」の店内に飾られている。
ねがいぼしを みる 若者 二人
災厄の 訪れ……
困惑する 若者
災厄を 追いはらう
剣と 盾を みる 若者
王冠を かぶる 若者
悲しむ 二人の 英雄
剣と 盾は どこに
タペストリーからは、英雄が二人いたとされることが推測できるが、これらを目にする前に主人公達はとあるものを見つけていた。
それはエンジンシティの「ホテルスボミーイン」に置かれているガラル地方を救ったと伝えられている黄金の英雄像だ。
ここではソニアがその英雄像についてこう説明している。
あちこちで 巨大な
ポケモンが 暴れまわったが剣と 盾を 持った 一人の
若者に よって 鎮められた……
ここでの英雄は1人であり、タペストリーでは2人いることになる。物語後半でポケモン博士となったソニアは最終的に英雄は2人(と2匹のポケモン)であると結論付けていたが、もしかしたらいつの間にか忘れ去られたこの英雄像の人物こそが3人目の英雄なのではないだろうか。
三人目の英雄
物語を進めていると、主人公、ホップ(ライバル)、ソニアの三人で話しているシーンが多々見受けられる。この三人の服装の色をよく見てみると
- 主人公(初期服赤)
- ホップ(シアンぽい青)
- ソニア(黄色の上着)
となり色の三原色を表している。(後にソニアはポケモン博士となり、白衣に着替える)
更に印象的には薄かったが、ムゲンダイナ戦で主人公はホップと共にその暴走を止めたが、あの場には最初に一人でリザードンで立ち向かうもムゲンダイナの反撃によって気絶してしまっていたダンデがいた。
ソニアと同じく黄色の花の名前が由来の彼が、ブラックナイトと呼ばれる厄災の根源であるムゲンダイナを鎮めたあの場に居合わせていたのは何か意図があるように思える。
前述した通り、色の三原色はシアン、マゼンタ、イエローの三色だが、その中心に位置する混合色は黒。
つまりあのムゲンダイナ戦では、黄色担当のダンデにザシアン、ザマゼンタを呼び出した主人公とホップが加わり(色の三原色)、ブラックナイトとそれを復活させた黒幕であるローズに打ち勝つという、色に関係した物語を「ポケモン剣盾」で表現していたのではないだろうか。
ダンデはチャンピオンになる程のポケモントレーナーとしての素質と腕前があり、その強さから三人目の英雄(ポジション)はダンデであった可能性が高い。
ザ・イエロー
ポケモン剣盾では、それぞれ剣と盾をモチーフにした伝説のポケモンがいるが、その2つを持っているあのポケモンがザ・イエロー(仮)ではないのかという疑惑がある。それが、ネギガナイトだ。
ネギガナイトは今作で重要な役割をする剣と盾を手に持っているが、一見すると黄色ではない。しかしその色違いはなんと真っ黄色なのだ。
因みにポケモン剣盾が発売される前、公式HPで新ポケモンの奇妙な紹介がされていたことがある。
そのポケモンはモザイクがかかった画像と文字化けした説明文で表示され、後にロトムの仕業だとされる謝罪文が公式から発表されたが、そのポケモンがまさにネギガナイトなのだ。
異様なまでに派手な色違いと、公式からの特別な紹介方法はネギガナイトが「ザ・イエロー」、もしくはそれに関係するポケモン(英雄の手持ち)ということを示唆しているのかもしれない。
イエローの正体に関しては、もう一つ不可解な点がある。それはジム戦の時に着るユニフォーム(初期)のロゴだ。このロゴには、シアンとマゼンタで塗られた2つの半円の上に立ちモンスターボールを掲げる黄色いシルエットの人間が描かれている。
そもそもユニフォーム自体は今作から追加されたもので、恐らくサッカー選手をイメージして作られたものだと思われるが、毎回強制的に着替えさせる必要はあったのかと疑問を抱く人も少なからずいたと思われる。
恐らくこれは、2つの半円で使われている色の通りザシアンとザマゼンタに置き換えることで
ということを伝えようとしているのではないだろうか。すなわちポケモン剣盾でのイエローはポケモンではなく、はじめから人間だったのかもしれない。
(フォルムチェンジよりも先に色違いを登場させていたことも、ポケモンの色を強調させたかったように思える。)
では冒頭に触れた「どまんなか」とは一体何なのか。
先程の表の続きを作成してみた。
三原色の中心ポケモン | |
---|---|
白(White) | レシラム、ウルトラネクロズマ |
黒(Black) | ゼクロム、ネクロズマ、ブラックナイト(ムゲンダイナ?) |
これはあくまで推測だが、やはり「どまんなか」は色の三原色の中心であり、今作でその役割を成すブラックナイトのことだと思われる。
正直なところ、ブラックナイトが現象を指すのか、或いはポケモンそのものを指すのか、はっきりとは分かっていない。しかし物語の中ではポケモンが巨大化し、暴れ回ったという記述があることから、やはり現象を指す言葉である可能性が高い。そして今回のムゲンダイナも同様に巨大化し、主人公達に襲い掛かってくる。従って、ムゲンダイナ戦もブラックナイトに関係する出来事になると考えられる。
伝説のポケモン
Lv. | 覚える技 |
---|---|
8 | どくどく |
16 | ベノムショック |
24 | りゅうのまい |
32 | クロスポイズン |
40 | りゅうのはどう |
48 | かえんほうしゃ |
56 | ダイマックスほう |
64 | コスモパワー |
72 | じこさいせい |
80 | はかいこうせん |
88 | ムゲンダイビーム |
ムゲンダイナ図鑑説明ソード:胸の コアが ガラル地方の大地から 湧きだす エネルギーを 吸収して 活動している。シールド:2万年前に 落ちた 隕石の中に いた。 ダイマックスの 謎に 関係している らしい。
書いていて自分も実に突飛な話だと感じたが、つまるところこれは、ポケモンの世界には2つの世界が存在するということを意味しており、ヒガナのこの一言で歴代ポケモンシリーズにおいての世界線が証明されたのである。それが、メガシンカのある世界とメガシンカのない世界だ。 ポケモンシリーズの世界線については、他にも様々な考察がされている。
「この せかいに とっての きぼうは ある ひとたちに とっての ぜつぼう……わかる?」
巨大化したポケモンは、主人公がルートナイントンネルを通過している間にダンデによって鎮められる為、直接関与することなくこの事件は解決されるが、ダンデがその野生ポケモンと対峙した場所がまさに隕石落下地点とされる橋の上だったことが後にホップから伝えられる。
そもそもガラル地方のジム(スタジアム)は1つのジムを除いて、リーグ委員長であるローズによってパワースポットと呼ばれるポケモンがダイマックスできる場所に建設されており、基本的にそれ以外の場所ではポケモンをダイマックスさせることができない。 (一応ジムではないが、ローズタワーと呼ばれる場所もパワースポットに建てられている為、ダイマックスが可能である)
・ムゲンダイナが放つエネルギーによって落下地点がパワースポットとなった。
地上絵とキョダイマックス
地上絵には、巨大化したポケモンが暴れまわり、人々やポケモンを襲っている様子が描かれており、過去に起こったブラックナイト現象を表しているようだが、今のところ地上絵に描かれているような姿をしたポケモンは登場していない。恐らくこのポケモンは今後のアップデート、もしくは新作で登場するのではないかと考えられるが、YouTubeのとある海外配信者が興味深い動画を投稿していた。
ストリンダーは今までのポケモンにはなかった性格によって異なるフォルム「ハイのすがた」、「ローのすがた」が存在し、その進化前であるエレズンはワイルドエリアと育て屋さんから貰える個体を除き、7番道路でしか生息していない。(ストリンダーはワイルドエリアの巣穴のみ)偶然にも、生息地が隕石の落下地点と想定される7番道路だったということは、エレズン(ストリンダー)も隕石と何らかの繋がりがあるのかもしれない。
ムゲンダイナ
ムゲンダイマックス:きょだいかした コアから むげんの パワーが ほうしゅつされているため まわりの じくうを ゆがめている。
オゾンそうを とびつづけ エサとなるいんせきを くらう。 たいないに たまったいんせきの エネルギーで メガシンカする。
ムゲンダイナとメガレックウザを見比べてみると、なんとなくその姿が似ているという噂がある。 もしかしたら、もう一つの世界線で存在したレックウザは隕石ごとワープホールに巻き込まれ、その最中食らった隕石のエネルギーによってメガ進化する過程で∞エナジーの影響を受け、隕石の中にいたデオキシスと融合してしまい、その成れの果てとしてムゲンダイナになってしまったのではないだろうか?